すべてのガンに共通して言えることは、早期発見が最も大事な治療です

病院と飼い主様が二人三脚で
ガンと向き合い治療を行っていきます

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「もうダメなんだ…」とは決して思わないでください
生活環境や食事環境の改善に伴い、人の世界と同じように動物たちも寿命も延び、高齢化が進んでいます。高齢化により、様々な病気が動物にも起こるようになりました。その筆頭が腫瘍(ガン)です。腫瘍は良性と悪性にわかれ、悪性のものがガンや肉腫と呼ばれ、命にかかわる病気です。今や、ワンちゃんの死亡原因の第一位、ネコちゃんの死亡原因の第三位を占めるようになりました。10歳以上に限れば、ともに第一位です。ガンとは体の細胞が際限なく増殖を繰り返す状態で、すべての細胞、つまり体の至る部分に発生する可能性があります。もちろんどの細胞がガン化するかによって症状が変わり、治療方法も変わってくるのです。
ガンの治療
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- 外科治療
- 化学療法
- 放射線治療
- その他の補助治療
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腫瘍の種類、ステージ(進行度)によって、適切な治療を組み合わせ、飼い主様と相談の上、治療を行っていきます。ガンの治療は手術して終わりではなく、化学療法などを組み合わせて行う事も少なくありません。治療も長期にわたることもあり、病院と飼い主様が二人三脚で治療を行っていきます。
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- 外科治療
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ガンの進行度合いで手術方法が異なります。ガン切除の程度により、根治手術、姑息的手術などがあります。治療方法を決定するために、ガンの種類などを確定させる検査を目的とした手術もあります。
早期発見されたガンであれば、手術のみで完治することも可能です。ガンがある程度進行している可能性がある場合、抗がん剤などの他の治療と併用することもあります。
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- 化学療法
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いわゆる抗ガン剤です。一般的に副作用が怖いイメージがあると思いますが、腫瘍の種類、動物の状態により、適切な抗がん剤の種類、用法を選択して治療を行います。
注射で入れる薬剤、点滴でいれる薬剤、内服する薬剤などいろいろな種類の抗ガン剤があります。リンパ腫など抗ガン剤が治療のメインとなるガンもありますが、多くの場合は外科手術などと併用して行われる治療です。
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- 放射線治療
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放射線を当てて、ガン細胞を破壊します。ガンの種類により、放射線感受性(治療効果の出やすさ)が異なり、化学療法同様に外科手術と併用して治療が行われることもあります。鼻の奥のガンなど放射線治療が主な治療となるガンもあります。
(放射線治療においては、大学病院等にご紹介させていただいております。)
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- その他の補助治療
- ガンが進行している場合、完治が困難なことがあります。その場合でも、治療は終わるわけではありません。 ガンによる痛み、苦しみを減らすための治療があります。人のホスピスのように、出来るだけ苦痛のない余生を送るために出来ることは色々あります。
飼い主様のお力が必要不可欠です
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すべてのガンに共通して言えることは、
早期発見が最も大事な治療の第一歩で、発見の遅れが命にかかわる
ということです。早期発見には、飼い主様のお力が必要不可欠です。日頃から、体中をくまなく触り、しこりなどの異常を感じたらすぐに来院するよう心掛けてあげてください。
また、内臓のガンや血液のガンは外からでは気付きにくく、定期的な健康診断が欠かせません。
シニア期(7歳以上)を迎えたら、3~6ケ月おきに定期検診を行いましょう。