外耳炎はかかりやすい病気です。だからこそ当院ではこだわります。
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『外耳炎がなかなか治らない。治ったと思っても、すぐに再発する。』
こういったペットの外耳炎に悩まされている飼い主様の声を耳にする機会が多くあります。多くのペットが一度はかかってしまう外耳炎。
当院では、あえて外耳炎にこだわり、外耳炎科としてきちんとした治療を提供できるよう、体制を整えています。
治りきらずに繰り返し再発しこじらせてしまう前に、まず外耳炎の原因が何なのか、検査・診断し、その上で治療を行います。
こじらせてしまった再発性・難治性の外耳炎のときは、原因となる他の病気が隠れていないかも考慮します。
一般的な外耳炎と再発性・難治性の外耳炎と見た目はほとんど変わりません。
だからこそ、きちんと診断を付けることと、飼い主様と二人三脚での継続した治療が不可欠なのです。
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- 外耳炎の症状は右記のとおりです
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- 耳を壁や床にこすりつける
- 頭をしきりに振る
- 耳が臭い
- 耳が赤い
- 耳を触るのを嫌がる
写真で見る外耳炎
当院では耳道内視鏡を使ってペットの耳の中を詳しく観察します。
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【正常な耳介と耳道】 正常な耳介は耳垢等もなく綺麗で、耳道も同じく耳垢や赤みもなく綺麗で表面もつるっとしています。
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【外耳炎の耳介】 外耳炎の耳介は黒や茶色の耳垢が多数付着し、全体的に赤っぽく、皮膚も肥厚して分厚くなっています。
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【外耳炎の耳道】 外耳炎の耳道では耳垢の蓄積が見られ、表面も肥厚しボコボコになり、赤みがあります。
外耳炎になると赤みや腫脹が起こり、本来排出されるべき耳垢が蓄積します。
多くの外耳炎は頻回の洗浄・点耳薬の点耳、抗生物質・抗炎症剤などの投与で一時的に良くなります。
しかし再発性・難治性の外耳炎では、耳の正常な状態を壊す何か他の原因が存在するため更なる検査と治療が必要となります。
再発性・難治性外耳炎の原因となりやすい病気
内分泌疾患によるホルモンバランスの乱れ | 甲状腺機能低下症などでは、ホルモンを補充することで皮膚症状と共に外耳炎症状も良化します。 |
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アレルギー疾患 | アレルギー反応の一つとして外耳炎を起こします。 アレルギー検査や食事の変更により診断・治療し、 アレルギー症状をコントロールすることで外耳炎症状も良くなっていきます。 |
根本的な耳の構造上の原因 | 耳の形や湿度環境に依存する場合があります。 |
耳道内の異物、毛やポリープ | 通常耳道内は少なからず毛が生えていますが、毛が密生していたりするとそこに耳垢が絡まり、
耳垢の正常な排泄が阻害され炎症の悪循環に陥ります。 こういった日常の洗浄だけでは取り除けなくなってしまった耳垢が、 繰り返す外耳炎の原因になっていることも考えられます。 |
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- 鼓膜前の耳垢と太い毛
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- 耳垢を排除した鼓膜
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- 排除した耳垢
外耳炎は動物にとっては大変なストレス
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外耳炎の治療ではまず細菌や酵母などの二次感染をしっかりとコントロールし、痒み等の炎症をしっかりと抑える治療を行います。
そして原発疾患が疑われる場合は、原発疾患を精査・治療することで外耳炎の根本治療を行います。また好発要因がある場合は、日々のチェックとケアにより再発を防止します。
なかなか直らない外耳炎もこうした治療とケアにより再発しないようにコントロールすることが可能となります。皮膚のターンオーバー(角化更新)は3週〜4週と言われています。そのため、皮膚の一部である耳の外耳炎治療はどうしてもある程度時間かかるため、飼い主さんもワンちゃんネコちゃんも根気が必要となります。がんばって根気強く治療していきましょう。
ご主人様になでてもらえるよう
耳をいつでも元気な状態に